恵那山の朝の霞へ鳥の落つ
春の空歪めて巨大ビル建ちぬ
群れ咲くは陽へのあこがれ犬ふぐり
鳥曇り美濃路はなべて坂ばかり
人の祖は海より来たり春夕焼
春の山重ねて故国闇となる
本阿弥書店の『俳壇』三月号「にっぽん俳句風土記」に岐阜編を書かせて戴いた。
訪れたのは岐阜、関、美濃、郡上の4市。取材の為に訪れたのは岐阜城や郡上八幡城、美濃和紙の製造場所や関の寺院などである。前に訪れてからかなりの時間が経っている場所もあり久しぶりの訪問で新鮮な印象を得ることができた。
「城と云ふ器仰げば春の雲」「紙漉くは奉仕に似たり日の暮るる」「あの寺もこの寺も門開けて春」など景色を見ながら、句を詠みながら取材をする時間を持てたのは自分にとっては楽しいひとときであった。
しかし郡上市を訪れた際、取材ノートを何処かに落としたことに後で気付いた。それで再度郡上八幡市を訪れたのであったがそれも楽しい思い出となったのである。(青)
0コメント