寒雲に湧き出て飛騨の山となる
冬帝の山降り来るは駆け足で
はらからのひとり耶蘇なり年新た
冬木とは空を刺す木々友病みぬ
擦れ違ふひとの眼にある寒気かな
湯に沈み十指広げて春待ちぬ
ある日、一通の手紙が届きました。「流」に作品を重複掲載しているというご指摘でした。驚いて記録を見てみますと間違いなく同一内容の作品を3句載せていたのです。
54号の「春の嶺美濃を美州と云ひしこと」を55号で「麗かや美濃を美州と云ふことも」、58号の「日暮るるや蜘蛛の囲のまだ未完成」を59号で「沈む日や蜘蛛の囲のまだ未完成」、12号の「曼珠沙華土中より紅絞り出す」をそのまま71号でも掲載していたのです。恥ずかしいことでした。いい気になって掲載していたものです。
頂いた手紙には差出人の名が記されてありませんでした。お礼を申し上げることができなかったことが残念です。また間違いがありましたら是非ご住所氏名共々お知らせ下さるようお願いします。(青)
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