四月来るひかりの舟が着くやうに
淡海を目覚めさせんと菜花咲く
春疾風言葉は鉄砲玉に似て
紅椿恋をこひつつ晩年へ
新しき椅子心地よし水温む
殺気あり丹色のまじる春月は
ラガーの〈五郎丸ポーズ〉で知られた大日如来像のある関市善光寺の境内に、昭和12年の支那事変で戦死した筆者の叔父貴の慰霊碑があります。当時は関町と称した地元でも初の戦死だったのでしょう。立派な戦没碑が建てられました。
3月初旬、碑の修復と清掃を従兄弟4人で行いました。その際、脇の石杭にかろうじて判読できる俳句が一句刻まれているのに気付きました。
潔く散るは芳し山桜
銘は彫られていませんでした。出征に際し叔父貴が詠んだ句か、それとも見送った人が詠んだ句かどうか分かりません。しかし20歳を過ぎて程ない叔父貴、顔も知らず、会ったこともない若者がそこにぽつねんと佇んでいました。
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