皺の手の皺を殖やして冴え返る


三月は庭の木々より生まれけり


面影はいつも不意なり春ショール

指間より水漏るるごと二月過ぐ

指折つて二歳と示す春着の児

春光や耳にショパンの流れ込む

 



冬になると車をスタッドレスタイヤに替えます。今年は一度も世話になることなくノーマルタイヤに戻しました。しかし一度くらいはスタッドレスタイヤで雪道を走ってみたいと思ったものでした。

但しこれは雪の被害を知らないノーテンキな人間が思うところです。多雪地に住む人たちに対して失礼な思いであることは間違いありません。今年も北の地や山陰の人々は大雪に苦しまれました。

越後の雪を一度だけ目にしたことがあります。車は走れず、長い道を人々は傘をさして黙々と歩いていました。ただ黙々と。その景は哀しさを伴うものでした。しかし同時に人間の逞しさを感じさせる景でもありました。


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