身に触れて去りゆく風を秋と云ふ
着替えても流星はまだ胸にあり
夜の長し父のとくとく諭すごと
妻と来て二百二十日の湖の風
群れ咲くは排撃の意思曼珠沙華
注射打つ一瞬長し九月の陽
5年ほど前、我家の庭に曼珠沙華が咲きました。全くの独り生えです。それ以降咲き続け、今年も10本ほど咲きました。
「西国の畦曼珠沙華曼珠沙華 森澄雄」
に示された集団の華やかさも良いのですが、一本の花を見て、そこにあるものを詠んだ句にも心惹かれます。
「何も掴めず渾身の色曼珠沙華」
『雲母』昭和51年11月号の巻頭句です。作者は三浦健龍。一度もお目にかかったことのない俳人ですが、作品を通して親しさを感じます。俳句の不思議な力と言ってよいでしょう。
「曼珠沙華不思議は茎の緑かな」
こちらは長谷川双魚作品。昭和47年の『雲母』への発表作品です。脱帽して白旗を揚げる一句です。
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