信濃路のひばりは空に溶けやすし 


故人また少し若やぐ弥生かな 


草青む客なきバスの過ぎて昼 


放棄地の横も放棄地いぬふぐり 


卒業の子らを見てゐる鬼瓦 


春風を呼び常滑は哀しき町 




愛知県常滑市を歩いてきました。知多半島の付根にあるこの町は古くから陶器の生産地として名を馳せてきました。私の住む関市も鎌倉時代より刃物の産地として知られています。これらの町は今なお伝統産業を守る努力をしています。

しかし21世紀の今日、地方都市は生き残るすべに苦しんでいます。関市について言えば若年層を吸収する産業が乏しく、住民数が伸びることはありません。現在の日本は、中央の都市が巨大化する反面、地方都市が脆弱化しています。

産業だけでなく文化の面においても同じ現象が起きています。地方に活力を持たせねばなりません。地方文化なくして日本文化が存続することはないと思っています。



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