冬山の臍に凭れて十戸ほど
酒飲んでおのれ眠らす師走かな
里の灯を星に加へてクリスマス
年詰まる眼前低く臥す山も
かつと眼を開け極月の夜の底
純白の月日ひろがる新日記
縁あって岐阜市則松にある岐阜刑務所収監者のクラブ活動「俳句」の指導をさせてもらっています。岐阜刑務所は長期収監者が多くその数約八百五十名。中には俳句を趣味とする受刑者もいて月に一度車で一時間かけて出かけて行きます。
俳句クラブの参加者の中には
「喜雨の中人空き瓶のごとく立つ」
「天高し寄せ書きしたくなる青さ」
のような素晴らしい句を作る人たちがいます。こうした作品を見ていると、とても罪を犯した人たちであるとは思えないときがあります。
どんな状況であれ俳句を共に楽しむ場があることは素晴らしいことです。人と俳句との繋がりに少しでも役立つのならと思い毎月鉄扉をくぐっています。
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