水追うて水次々と追うて滝 


京団扇絵本は人を殺めざる 

樹林帯抜け空へ出し登山杖 

涼しさや眼鏡ことりと置く音も 

蚊遣火や山くろぐろとかぶさり来 

空の紺絞りて茄子の色と為す 




蛭(ひる)、水中に住む扁平無脊椎生物。吸盤で人などに吸い付き血を吸います。吸い付くと血液の凝固作用を無効にする成分を出すためなかなか血が止りません。

水中ばかりでなく山にも山蛭がいます。水中の蛭より少し大きめです。登山の折など気づかない内にズボンや靴下の中へ入り込んで血を吸います。

或る鈴鹿山中でのこと、登頂したら脛にまるまると膨らんだ蛭、下山しても私にだけ蛭が二匹脛についていました。他の二人は無事でした。ひっぱがして力一杯石を打ち付けたらパッと真赤な血が飛び散りました。いつまでも目に残る色でした。「山蛭はちょっと太目のおとこ好き」を印象づける出来事だったようです。



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