ガリバーの眼をもて跨ぐいぬふぐり 

春耕の里へとなだれ美濃の山 


揚雲雀友訪ふときも辞すときも 

伊吹より恵那山までの花浄土 

花びらを乗せさざなみの幾千万 

花の大門根底に仏祖あり 




四十代になった頃、近辺の山々を歩きだしました。眼にする事物に随分と感動したものです。その一つがギンリョウソウでした。始めて見かけたときには、長年の憧れの人物に出会った思いがしたものです。

この植物は光合成をしないため葉緑素を持っていません。別名が幽霊茸であるように木の根元など薄暗い場所に二十㌢ほどの高さで数本がかたまっています。そのひょろひょろとした白い姿は小さな山の精とも言えそうです。

その後あちらこちらの山中でも見かけました。一度心を開くと次々と広がっていく友達の輪のような感じでした。

春たけなわから晩春へ、美濃はギンリョウソウとの出会いの頃となりました。



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